『雨、あるいは紳士』

 雷鳴とともに雨が降ってきたので僕は持っていた傘を差そうとしたのだが、男が僕の上に傘を広げた。私は傘を持っているのでそんなことしてもらう必要が無い上に、その男は雨に打たれて、いかにも高級そうなスーツは水を吸い始めていた。そんな光景を奇妙に思い男から逃げるように家に帰った僕は、昼に飲んだ賞味期限切れの牛から出る白濁色の液体(ようするに牛乳)のせいかどうかは知らないが、腹痛のためトイレへ駆け込んだ。5分ほど格闘しただろうか、インターホンが鳴った。出てみるとさっきの男が玄関に立って、手にコンビニのレシートを大事そうに持ちながら「あなたが走っている途中にポケットから紙が落ちたので重要な書類の可能性もあると思って届けに来ました」と言うのである。


というわけでヘタレ高校生から大学生になったモリトモさんが編入受験の厳しさを体験し書き綴るサイトになった『Favor』だお☆(コンセプトは無理やり明るく)